この手、あの手。
決めた。
私はやる。
月曜日――。
「鶴賀君、話があるんだけど」
「……別れたくない」
「別れ話じゃないよバカ」
机にうつ伏せになっていた鶴賀君は体を起こした。
「あの……私、男バスのマネージャーやろうと思う」
「………なんで? 悠木がいるから?」
鶴賀君はちょっと不機嫌になった。
「そう……だよ。聖治と一緒にいる時間が少なくなって寂しいの。聖治が私を励ましてくれたように、私も聖治を救えるような人になりたい」
「ふーん……、良いんじゃね?」
なんだか冷たい。
やっぱりこんな話嫌だったよね……。
でも、鶴賀君には言っておきたかった。
「良いんだけどさ、俺、ヤキモチ焼くよ?」
「うん……?」
「つーちゃんは俺のもんだから」
鶴賀君は私の手を取り、指を舐めてきた。
舌が指に触れるたびに感じて、口から離れようとする私の手を、鶴賀君はがっしり掴んでいた。