帰る場所
少しでも期待した
私がバカだった
「麗子〜…
俺、我慢できねぇ
なんか勃ってきちゃった…
ハルちゃん犯していい?」
「匡に任せるわ。
好きにしていいわよ」
「え、本当に?
じゃあ…ハルちゃん!!
優しくするから俺とシよ?」
こいつ、何言ってるの?
それにお母さんまで…
お母さんは
私を見捨てるようなこと
しないよね?
「ねぇ、ハル?
あんたが悪いんだよ。
あんたがアノ人と
似すぎてるせいで
私は…私は…、」
頭を抱えて取り乱すお母さん
「麗子〜…大丈夫?」
先に駆け寄ったのは
私…じゃなくて
得体の知れないヤツだった
「…ッ、
あんたさえ居なければ!
産まなければよかった!
なんで…なんで…ッ」
「麗子っ
もう、これくらいに…」
「匡は黙ってて!!!!
…ハル、今日限りで
この家から出て行きなさい
もう…あんたの帰る場所は
ココじゃないから」
…いきなりのことで
頭がついていかなかった
だけど、これだけは覚えてる
「あ…雷が鳴ってる」
春の嵐を知らせる合図が
訪れたってことだけ
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