帰る場所
「…さっ・さぶっ!」
明け方の気温は冬並みに寒い
彼はカタカタと
肩を震わせていた。
「シュウさん
ここに居たら私達…
風邪引いちゃいます。」
「んなこと言われなくても
分かってるよ
んじゃあ…行くか!」
「へっ?!
ど・どこに?」
「俺の家!
美味いメシ、食わせてやるよ!」
「えっ!!
…ちょっと!」
強引に引かれた腕からは
シュウさんの温もりを
感じられて心地いい
「おい、ハル!
見てみろよ!」
指先の向こうには
眩しいくらいの太陽があった
「…キレイ」
「な?
ここから見る景色は絶景なんだよ!」
違う。
違うよ、シュウさん…
太陽もキレイだったけど
あなたの笑顔も
キレイだったんだ
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