地味子は総長?
「えっと…なにか?」

俺に気づき、振り返った女が声をかける。


「別に…お前名前は?」

「時和音羽」

「そうか。じゃぁな」


名前だけ聞いて屋上を後にした。

今でも覚えている。


風になびく長い黒髪。

160cm以上はある背。

細くて長いきれいな手足。
振り返った顔は小さかった。


小顔で大きな二重の目。
整った鼻に唇。



人生初めて一目惚れをした。
あの入学式。
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