あなたは、だぁれ?
「アハハ。すみませんねぇ。でも他に名乗りようもないので」

ミコトはケラケラと笑う。

「…しかし随分と若いんだな」

マカは眼を細め、ミコトを見つめる。

小柄なせいか、笑うと幼い印象だ。

下手をするとマカの方が年上に見えるぐらい、ミコトは若く見えた。

「アレ? そんなに若く見えます? でもアタシ、もう二十八なんですけどね」

「二十八ぃ!?」

「今日はメイクをしているんで成人はしているように見えるでしょ? これがノーメークだと中学生に見られましてねぇ。いやぁ、困った困った」

「お前……普通の人間、なんだよな?」

「一応は。でもそれもちょーっとは違うかな?」

ミコトの眼に、鋭い光が宿る。

笑みを浮かべたまま、狂気を発するところを見ると、ただ者ではなさそうだ。

「―まっ、だろうな。でなければ人間の死体を材料としたアンティーク品など作れないだろう」

「おっしゃる通りで。今日はウチの商品をご所望で?」
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