あなたは、だぁれ?
最後の言葉は力がなかった。

その意味を、マカは瞬時に理解する。

利益を生み出すミコトをよそに持っていかれるぐらいならば、カガミは容赦なく潰すだろうことを。

だがそれでもミコトはカガミの元へいなければならない。

闇業職人として、生きるためには―。

「死ぬまで現役が目標か?」

「はい。できれば」

「…そうか。……って、リリス。お前はさっきから何をしている?」

「はい?」

ミコトとマカの会話に全く入ってこなかったリリス。

店内の物を物色していた。

「いえ、せっかくなので、何か買っていこうかと。マカ先輩もどうですか?」

「こんな血なまぐさいのいるかーっ!」

「あ~。臭いだけは、中々消えにくいんですよね」

ミコトは苦笑しながら、商品の臭いを嗅ぐ。
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