あなたは、だぁれ?
「そうか。ならコレも貸し借りということで」

マカはカバンにメモと紹介状を入れ、続いて名刺入れを取り出し、一枚をカガミに差し出した。

「私の連絡先だ。お前の要望があれば、連絡してくれ」

名刺にはマカの名前と、ケータイのナンバーにメルアドが書かれている。

「直通ですか?」

「ああ。表の人間達とはまた別の、裏の人間用の連絡先だ」

カガミは大事そうに名刺を受け取り、微笑んだ。

「これは良きものを…。ではこの名刺で、この前のマリーと今回の件を、チャラにしましょう」

「名刺一枚でか?」

マカは怪訝そうな顔をする。

「これで充分ですよ。マカさん、あなたは自分がどんなに重要視されているのか、分からないはずはないでしょう?」

「まさか売るつもりじゃないだろうな?」
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