あなたは、だぁれ?
それはリリスやマカがまとう空気と同じではあるが、種類が違う。

「まあこちらで働いているモノですし、人成らざるモノでもおかしくはないでしょう」

そう言いつつリリスは店内を見回す。

「カガミやソウマさんのお店とは違いますね。曰く付きの骨董品を扱っているようで」

「だな。あの二人は新しい物を扱うが、こっちは古くて重い―」

物の一つ一つから、絡みつくような気配が漂っている。

コレには流石のリリスも近寄らず、一定の距離をたもっている。

マカも動かずじっとしていると、一人の若い和服姿の青年が奥から出てきた。

「お待たせしました。マカさんとリリスさん、ですね? 闇夜想の店主・ミツルと申します」

ミツルは笑みを浮かべ、頭を下げた。
< 31 / 81 >

この作品をシェア

pagetop