あなたは、だぁれ?
リリスはどこからか手帳を取り出し、書き込んでいた。

「何でもありませんって。ですが困りましたね。八方塞がりじゃありませんか」

「…いや。とりあえず先程の体質のことを、ソウマに聞いてみる。道具の可能性も含めてな」

「新作っていつ、どこで出ても不思議じゃありませんものね」

「…厄介だな」

マカはため息をつきながら、芋ようかんを頬張った。

「んっ、んまいな。この茶も美味い」

「ありがとうございます。マナが和菓子と緑茶が好きでしてね。良いものを買っておくよう、言われているんですよ」

マカとリリスはじっとミツルを見た。

「店主、随分とマナに甘いんだな」

「もしかして甘い仲ですか?」

リリスの言葉を聞いて、マナはキッと睨みつけてきた。
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