あなたは、だぁれ?
「サクヤにも心配かけちゃったかしら? もう平気だから」

その言葉の意味を瞬時に悟り、サクヤは口元に笑みを浮かべた。

「それは良かった。俺もマカが元気な方が、嬉しいから」

「それはどうも」

お互い、意味深な笑みを浮かべる。

その様子を、廊下でリリスは見ていた。

「…なるほど。確かにただ者ではなさそうですね」

気配を消していたリリスだが、サクヤに気付かれていることは分かっていた。

なのでそのまま自分の教室へ向かう。

「マカ先輩が目的ならば、少々懲らしめる必要がありますね」

そう呟くリリスの口は、歪んだ笑みを形作っていた。

「うっ! 何か悪寒が…」

「まっマカ、大丈夫ぅ?」

―が、何故かマカの背筋に悪寒が走り抜けた。
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