あなたは、だぁれ?
「ん?」

「お待たせしました、マカ」

扉の方を振り向くと、ソウマがケータイ電話を持っていた。

しかしその顔は苦悩の色に染まっており、またソウマの後ろには何故かサクヤがいた。

「…どうやら問題は一気に解決できそうだな」

マカは眼を細め、ケータイを切った。

「遅くなってすみません。今まで彼と話をしていたものですから」

「ソウマの知り合いだったのか?」

「いえ、正確には私ではなく…現当主のお知り合いでした」

「クソジジイ…ではなく、祖父の?」

それでもマカは疑わしげに、サクヤを睨みつける。

「マカ、落ち着いて聞いてくださいね。彼の正体を一言で言いますから」

「ああ…」

「彼は…サクヤは、あなたの婚約者候補なんです」

ソウマの言葉に、マカの体が硬直した。
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