あなたは、だぁれ?
「おやおや。作戦が裏目に出たか」

肩を竦めるも、あまり残念そうに見えないのは、ひょうひょうとした態度のせいだろう。

「―なるほど。つまりこういうことですね」

リリスは冷静に説明した。

「ただ本家で顔を合わせただけでは、マカ先輩の記憶にも残らないでしょう。ですがこんな登場の仕方をすれば、気にかけてはいただけますもんね。それが狙いだったのでしょう?」

説明を聞いて、サクヤは眼に鋭さを宿し、リリスを見つめる。

「流石、策略を得意とする魔女だね」

「マカ先輩の血族の方には負けますわ。そうですか…マカ先輩の同属だったんですね。しかも離属していたならば、情報が集まらないはずです」

その言葉を聞き、マカは眼を丸くした。

「リリス…。お前もしかして、あれからも情報屋を使って、調べていたのか?」

「ええ、勿論。情報は多いに越したことはありませんから。しかし空振りだったようで」
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