あなたは、だぁれ?
そこでリリスはサクヤを見つめる。

僅かに殺気を含んだ眼差しで。

「…それに流石にマカ先輩の同属なら、こちらも下手に手出しはできませんからね」

「おっと、怖いな。もし俺がマカに何かしようものなら、キミに噛み付かれていたのかな?」

「もちろんですわ。マカ先輩を欲しているのは、何もあなた達同属だけとは限らないのですから」

「そうみたいだね。流石は本家の宝であるマカ、大事にされているねぇ」

サクヤの言葉を聞いて、マカは顔を思いっきりしかめた。

「舐めとんのか、貴様」

「まっマカ、言葉遣いが…」

慌ててソウマに止められ、ハッと我に返る。

「あっ、ああ…。それはともかく」

セキを一つし、マカは気を取り直す。

「自ら正体を明かしたということは、もう止めるということか?」

「何を?」

「座敷わらし現象を」

「…ヒドイ言い様だな」

サクヤは苦笑するも、すぐに得意げな笑みを浮かべる。
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