日の丸―絆―

計画停電

 震災後すぐ、私の住む街は、計画停電の対象となった。

 午後6時〜10時頃までの4時間帯の時、私達家族は電気を求めて車を走らせた。

 外は真っ暗で、街灯もないのに、そのくせ渋滞が激しく異様な雰囲気だった。

 近くのコンビニは、懐中電灯をいくつか光らせ、無理くり営業をしていた。

 『本当に震災は起こったのだ…』と、改めて痛感した。

 ―節電―が叫ばれた。

 『原発事故があったからしょーがない』

 そう思いつつも、疑問が浮かぶ。

 当時は、本当に電力が足りないと思った。

 でも、本当に足りなかったのだろうか?

 日本には幾つかの電力会社があるのに、協力を得るどころか、そうする発想すらなかった。

 この非常事態に、すぐ提携を結べないのは何故なのだろう?

 考えたら、この日本という国は戦後、敗戦国でありながらも高度経済成長し、世界でも有数の経済大国になった。

 経済成長の為のライバル意識も強い。

 企業同士が利益の為、争うのは当たり前だと思う。

 でも、特殊な企業については、ある程度の連携は必要だったのでは?

 原子力という脅威な物を、国が管理してないのは日本だけでは?

 
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