とても微かな愛の言葉を。

「……静電気起きるよ」

「うわ、マジだ」


楽しそうに笑う彼の腕をそっと掴む。

ずっと、私の頭、撫でて欲しい。

離れたく、ない、よ。



「手、冷たいね」


頭に添えられた手から、彼の手の冷たい感触を感じる。

やっぱり、寒いの我慢して、私にコート貸してたんでしょ。


「心が暖かいですから」

「へー、そーなんだー」

「超棒読みですけど」


笑う。

たぶんそれ、正しいよ。

ばかみたいに優しくて、ばかみたいにあったかくて。


そんな、君を、

好きになったんだから。


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