とても微かな愛の言葉を。

「じゃあ、帰ります」

「うー」

「まだごねますか」


困ったように彼が笑う。

困らせてばっかりで、ごめんね。


“だいすき”


今はまだ、言葉に出来ないから、



彼の胸元に、頭を寄せた。



さっきまで私が着ていたコートの感触を、おでこに感じる。


彼は、猫を撫でるみたいに、優しく、私の頭を撫でた。


時々、ぎゅっと彼の胸元に押し付けられる。


ホントは、もっと、ぎゅってしてほしいけど、今は自転車が邪魔だし、私の心臓的にもこれがいっぱいいっぱい。


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