とても微かな愛の言葉を。

「お肉たべる?」


私が炭酸を買った時に、チキンを買った彼が、私に勧めてくる。


「お肉! いいな!」

「あ、ちょっと辛いけど」

「じゃあやだー」


キィキィ。

もっと高く漕ぎたい。

夕方の公園は、人もまばら。


「俺、ブランコとかいつぶりだろ」

背が高くて、子供用のブランコが上手く漕ぐことが出来ず、苦戦しながら彼が呟く。


「私、高二の時に突然ブランコ漕ぎたくなって公園行ったぶりだわぁー」


私は楽々ブランコが漕ぐことが出来るサイズ。とても悲しい。

でも、ブランコ超楽しい。


「……なんか、可愛いことしてんね」


聞こえるか聞こえないかの声の大きさで、彼が呟いた。


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