恋愛ビギナー





なんかドキドキするというより、悲しいよね。



自分の好きな人に、告白するための実験台にされるって。



普通はこんな経験しないでしょ。



こんな状況なら、早く告白してさくっと振られたほうがマシじゃないのか?



・・・もう今さら遅いけど。


「うん、そんな感じでオッケーだよ」



「どうしたら信じてくれる?」



「え、普通に真面目に告白したら信じるでしょ!」



氷藤くんの好きな子、そんなに人間不信なの?



「だって信じてもらえなかったもん」



えっ、1回告白してるの?!



初耳なんですけど。



「じゃあ抱きしめて本当に好きなんだって、くらい言えば?」



もうどうにでもなれ!



そう思っているのに、視界がぼやける。



それがばれないように、わたしは俯いた。





< 15 / 45 >

この作品をシェア

pagetop