恋愛ビギナー
なんかドキドキするというより、悲しいよね。
自分の好きな人に、告白するための実験台にされるって。
普通はこんな経験しないでしょ。
こんな状況なら、早く告白してさくっと振られたほうがマシじゃないのか?
・・・もう今さら遅いけど。
「うん、そんな感じでオッケーだよ」
「どうしたら信じてくれる?」
「え、普通に真面目に告白したら信じるでしょ!」
氷藤くんの好きな子、そんなに人間不信なの?
「だって信じてもらえなかったもん」
えっ、1回告白してるの?!
初耳なんですけど。
「じゃあ抱きしめて本当に好きなんだって、くらい言えば?」
もうどうにでもなれ!
そう思っているのに、視界がぼやける。
それがばれないように、わたしは俯いた。