恋愛ビギナー
「やだ」
あんたは子どもかっ!!
「かわいく言ってもだめだからっ!!」
やってることはかわいくないってーのっ!
「ねぇ、信じて?」
わわっ!
近いって!
耳に息かかってるって!!
「こ、これでどんな子でも信じてくれるよ!」
だからもう離れてください!!
心臓が持たないよ・・・
「篠原が好きなんだって。お願いだから信じて」
「わ、わかったからっ!・・・・・・・え?」
篠原が好き、って聞こえたのはわたしだけ?
そのとき、やっと氷藤くんの腕が緩んだ。
そして肩を持たれ、向かい合わせの状態に。
もしかしたら、さっきより恥ずかしいかもしれない。
「・・・キスでもしたら信じてくれる?」
真剣な顔で言ってくる氷藤くん。
ちょっと待って。
状況についていけない。
「こ、これも練習なの?」
「は?」
氷藤くんは怪訝そうに眉をひそめる。