幼い頃の-約束-

次の日。。


ピンポーン。

「はーい。あら、瑠璃チャンどうしたの!?」


『ウエーン。』

「どおしたの?瑠璃チャン。さっ中入って!」



「瑠璃チャン?」


『あの…ね。明日引っ越しするんだって…昨日の朝ね知らない男の人とお母さんが言ってたの…。』


「えっ!!なんでよ!!なんでよ!!瑠璃チャン行かないでよ!」

「龍神!静かにしなさい。」



『瑠璃も行きたくない。龍神とずーッと、一緒にいたい。でも…あんなことする、お母さんでも、瑠璃のお母さんには変わりないから…』


ポロリ。
5年間一緒にいて、始めて見た、龍神の涙。


とても綺麗な涙だった。

薄青色の瞳から透明でなにひとつ汚れていなかった。


私は、汚れている。ホステスの子供なんか、皆汚れている。




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