花岡高校物語
「でも、そしたら差がでちゃったりしません?」

「そっかぁ…まぁそこらへんは誠が何とかしてくれるだろ」

そうですね、とあたしも笑う。

朝岡先輩が槙田 誠先輩に相談しに行ったのを見てから、みんなが飲み散らかした水筒を集める。

見事に全部、空。

折りたたみ式のカゴに詰めて、水飲み場まで運び、アクエリアスの粉を入れつつ水を汲
む。

とりあえず10本くらいに汲み、カゴに入れて持つ。

う。重い。

マネージャーになってから、それなりに体力も筋肉もついたと思うけど、夏というのもあるのか、めちゃくちゃ重い。

一回道に置いてふぅ、と息を吐き出す。

部室が間にあるから見えないけど、グラウンドの方から明るい声が聞こえる。

もう試合始まったんだ…急がなきゃ。
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