: 過去
第2章――

池田屋事件

***

「ん…っ…」




隊士騒動のあと碧は目をさました




障子から注ぐ太陽の光りが、少しだけ目を刺激する




――あれ…私



自分があの後どうなってここにいるのか



混乱しっぱなしだ



とりあえず、着替えて広間に行けば誰か居るかも



そう思い、碧は起き上がった

***

「…ということで、僕は彼を捕まえました」



その頃の広間は…



指名手配中だった浪士を逮捕したことで持ちきり状態



長きに渡り泳がせてきた浪士捕縛は、彼らにとって大きな一歩となった



浪士捕縛を勤めた沖田は、満面の笑みで土方の前に座る



――しかし



この浪士捕縛が、彼らの運命を大きく変えることとなる



「これは…俺たちにとって大仕事になるぜェ」



普段は仏頂面の土方にも、笑みが見えた
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