: 過去
「なんだか、新入隊士の勧誘って言ってましたねぇ…」



ごくり、と喉を鳴らして



沖田はお茶を飲み干した



「新入隊士の勧誘ってことは、人数が増えるんですよね」



「えぇ、まあそうですね。そのことで頭を悩ませているのが…」


「?」


釣られるがまま、沖田の向けた視線の先には…



「……ッチ。なに見てやがる、お前ら…」


ものすごく不機嫌な土方がいた


沖田の話によると、



新入隊士が増えることで、この今住んでいる屯所…



すなわち、八木邸という民家では手狭になってしまう


なので移転したほうがいいのだが、生憎、そんな場所は彼らにないらしい



「そうなんですね…」


一通りの状況を理解した碧は、再び土方を見る


「……ったく、近藤さんも平助もどうかしてやがる!」


きっと、隊士が増えることは嬉しいんだろうけど




住む場所が無いなんて話にならない…



もうひと波乱、起きそうだった


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