: 過去
第3章――
崩壊
***
伊東たちが新撰組に入隊してから、しばらく経った頃
「…隊士増員は有り難かったが、屯所が手狭になったなぁ」
ぽつりと近藤がこぼした、この一言で事件は起きる―
***
「だったら、いっそのこと引っ越しちゃいませんか?」
明るい声音で近藤の隣に座ったのは沖田だ
彼はお茶を近藤の前に置き、お盆を膝に置いた
そんな沖田を目で追いながら、腕組みをしていた土方が口を開く
「引っ越しするという総司の意見に賛成だ…」
「と、歳?」
予想外の返答………
しばらくの沈黙。
近藤と沖田は拍子抜けした表情で、土方を見ている
「……な、なんだ?俺が変なこと言ったってかァ?」
見られていることに照れを感じたのか、土方は頬を赤くした
そして、スズッとお茶を飲み干すと、
「移転先にちょうどいい所があるんだよ…」
独り言のように呟いてから、近藤の部屋をでた
彼の顔にくっつく黒い笑みは、人々を震え上がらせるほど…
まさに、鬼のようだった
伊東たちが新撰組に入隊してから、しばらく経った頃
「…隊士増員は有り難かったが、屯所が手狭になったなぁ」
ぽつりと近藤がこぼした、この一言で事件は起きる―
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「だったら、いっそのこと引っ越しちゃいませんか?」
明るい声音で近藤の隣に座ったのは沖田だ
彼はお茶を近藤の前に置き、お盆を膝に置いた
そんな沖田を目で追いながら、腕組みをしていた土方が口を開く
「引っ越しするという総司の意見に賛成だ…」
「と、歳?」
予想外の返答………
しばらくの沈黙。
近藤と沖田は拍子抜けした表情で、土方を見ている
「……な、なんだ?俺が変なこと言ったってかァ?」
見られていることに照れを感じたのか、土方は頬を赤くした
そして、スズッとお茶を飲み干すと、
「移転先にちょうどいい所があるんだよ…」
独り言のように呟いてから、近藤の部屋をでた
彼の顔にくっつく黒い笑みは、人々を震え上がらせるほど…
まさに、鬼のようだった