始末屋 妖幻堂
---何か、新しい情報を掴めるかも---
逸る気持ちを抑え、呶々女は芙蓉の部屋の前に跪き、襖の前で声をかけた。
「芙蓉姐さん。山吹です」
細く襖を開き、ちらりと中を窺ってから、呶々女は素早く身体を部屋の中に滑り込ませた。
薄暗い部屋の中は屏風で仕切られ、五人ほどの遊女が寝そべっている。
裏要員は、客の求めがあれば裏店に出向くので、個人の部屋は必要ない。
もっとも表の遊女でも、部屋持ちになれるのはほんの一握りで、他の者は、都度回し部屋を使うのだが。
だからこそ、裏要員の遊女が一部屋に集められていることも、廓内ではおかしいことではないのだ。
「姐さん・・・・・・」
一番奥の芙蓉のところまで足音を忍ばせて行き、ひょいと屏風を覗き込んだ呶々女は、思わず息を呑んだ。
薄い煎餅布団に横たわる芙蓉は、顔が腫れ上がって、苦しそうに喘いでいた。
「ね、姐さん。大丈夫ですか?」
一応大部屋なので声は潜め、呶々女は桶を置いて芙蓉を覗き込んだ。
よく見ると、顔だけでなく、身体も腫れているようだ。
呶々女はそっと、芙蓉の小袖をはだけてみた。
みみず腫れが、身体中に走っている。
逸る気持ちを抑え、呶々女は芙蓉の部屋の前に跪き、襖の前で声をかけた。
「芙蓉姐さん。山吹です」
細く襖を開き、ちらりと中を窺ってから、呶々女は素早く身体を部屋の中に滑り込ませた。
薄暗い部屋の中は屏風で仕切られ、五人ほどの遊女が寝そべっている。
裏要員は、客の求めがあれば裏店に出向くので、個人の部屋は必要ない。
もっとも表の遊女でも、部屋持ちになれるのはほんの一握りで、他の者は、都度回し部屋を使うのだが。
だからこそ、裏要員の遊女が一部屋に集められていることも、廓内ではおかしいことではないのだ。
「姐さん・・・・・・」
一番奥の芙蓉のところまで足音を忍ばせて行き、ひょいと屏風を覗き込んだ呶々女は、思わず息を呑んだ。
薄い煎餅布団に横たわる芙蓉は、顔が腫れ上がって、苦しそうに喘いでいた。
「ね、姐さん。大丈夫ですか?」
一応大部屋なので声は潜め、呶々女は桶を置いて芙蓉を覗き込んだ。
よく見ると、顔だけでなく、身体も腫れているようだ。
呶々女はそっと、芙蓉の小袖をはだけてみた。
みみず腫れが、身体中に走っている。