始末屋 妖幻堂
小間物屋に近づいた千之助は、すぐに異常に気づいた。
見た目は店が閉まっているようにしか見えない。
急ぎ足で店先に荷車をつけた千之助は、一応辺りをざっと見渡した上で、戸を開けた。
思った通り、店の中は荒れ放題だ。
「・・・・・・旦那」
薄暗い奥の座敷から、低い声が聞こえた。
牙呪丸が、柱に貼り付くように座っている。
「牙呪丸、丁度良かった。ちょいと急いで荷物を運び込むのを手伝ってくれ」
状況を把握する前に、とりあえず店先の佐吉を中に入れてしまいたい。
だが牙呪丸は、その場を動かない。
「おい、一体どうしてぇ・・・・・・」
不審に思い、座敷の前まで駆け寄った千之助は、牙呪丸が文字通り柱に貼り付けられているのに気づいた。
素早く下駄を脱ぎ、牙呪丸の傍に走る。
「九郎助の旦那にやられた」
牙呪丸の言うとおり、彼の背は九郎助狐の力によって、柱に縛られていた。
「奴らが来たんだな? 九郎助はどうした?」
見た目は店が閉まっているようにしか見えない。
急ぎ足で店先に荷車をつけた千之助は、一応辺りをざっと見渡した上で、戸を開けた。
思った通り、店の中は荒れ放題だ。
「・・・・・・旦那」
薄暗い奥の座敷から、低い声が聞こえた。
牙呪丸が、柱に貼り付くように座っている。
「牙呪丸、丁度良かった。ちょいと急いで荷物を運び込むのを手伝ってくれ」
状況を把握する前に、とりあえず店先の佐吉を中に入れてしまいたい。
だが牙呪丸は、その場を動かない。
「おい、一体どうしてぇ・・・・・・」
不審に思い、座敷の前まで駆け寄った千之助は、牙呪丸が文字通り柱に貼り付けられているのに気づいた。
素早く下駄を脱ぎ、牙呪丸の傍に走る。
「九郎助の旦那にやられた」
牙呪丸の言うとおり、彼の背は九郎助狐の力によって、柱に縛られていた。
「奴らが来たんだな? 九郎助はどうした?」