始末屋 妖幻堂
第二十三章
「ひゃあぁ~~、小僧っ。大怪我してるじゃないかぁ」
蔵の外に出ると、呶々女がたらいを手に、駆け寄ってきて叫び声を上げた。
「な、何だよ、このガキ・・・・・・」
自分よりも小さな女子に小僧と言われ、小太が呟く。
小太も呶々女を知っているが、今の呶々女はいつもよりも大分小さな幼女だ。
小太にはそれが呶々女だとは、わからない。
「んまぁっ! 何生意気な口利いてんだいっ。いっつも飴玉おまけしてやってるのにさっ」
呶々女は自分の姿も忘れ、ぷんすかと小太に説教する。
随分己のほうが大人なように言っているが、実はいつもの呶々女も、十六、七ぐらいでしかない。
小太は十二。
あんまり変わらないのだが。
もっともそれは、あくまで見た目年齢であって、千之助に作られた呶々女には、年齢などない。
知識だって年齢にはそぐわないので、普通の人間からしたら、ちぐはぐなこともあるのだが。
「飴玉? ・・・・・・え? だって・・・・・・」
蔵の裏に回り、外壁近くに座らされた小太が、訝しげに呶々女を見る。
「しょっちゅう堀川菓子処に寄り道しては、新作の菓子の味見してるくせにさっ」
「呶々女。手当て頼むぜ」
小太を下ろした千之助が言った言葉に、小太は目を見開いた。
蔵の外に出ると、呶々女がたらいを手に、駆け寄ってきて叫び声を上げた。
「な、何だよ、このガキ・・・・・・」
自分よりも小さな女子に小僧と言われ、小太が呟く。
小太も呶々女を知っているが、今の呶々女はいつもよりも大分小さな幼女だ。
小太にはそれが呶々女だとは、わからない。
「んまぁっ! 何生意気な口利いてんだいっ。いっつも飴玉おまけしてやってるのにさっ」
呶々女は自分の姿も忘れ、ぷんすかと小太に説教する。
随分己のほうが大人なように言っているが、実はいつもの呶々女も、十六、七ぐらいでしかない。
小太は十二。
あんまり変わらないのだが。
もっともそれは、あくまで見た目年齢であって、千之助に作られた呶々女には、年齢などない。
知識だって年齢にはそぐわないので、普通の人間からしたら、ちぐはぐなこともあるのだが。
「飴玉? ・・・・・・え? だって・・・・・・」
蔵の裏に回り、外壁近くに座らされた小太が、訝しげに呶々女を見る。
「しょっちゅう堀川菓子処に寄り道しては、新作の菓子の味見してるくせにさっ」
「呶々女。手当て頼むぜ」
小太を下ろした千之助が言った言葉に、小太は目を見開いた。