始末屋 妖幻堂
第二十八章
とっぷりと夜が更けた真夜中。
小菊と千之助の部屋の間の襖が、静かに開いた。
「・・・・・・どうしたぃ?」
寝転んだまま、千之助は目だけを動かして、襖の前に立ちすくむ小菊を見た。
小菊は硬い表情で、千之助の部屋の中を見渡す。
そして部屋に入ると、後ろ手で襖を閉めた。
その表情で、何となく事情を察した千之助は、上体を起こして布団の上に胡座をかいた。
もっとも、元々眠ってはいなかったが。
小菊は布団の横に座り、膝の上で、ぎゅっと拳を握りしめる。
「そんなに嫌かい?」
あえて軽く、千之助が口を開いた。
「言ったろ? 俺っちもあいつらも、大して変わらねぇ。無理矢理じゃねぇってだけだ。恐怖はなくなるようにしてやるが、時間をかければ、それは俺っちじゃなくても、できる技だぜ。佐吉に癒してもらえばいい」
小菊は、どうしても伯狸楼のヤクザ者に犯されたことが嫌らしい。
千之助の部屋に狐姫がいないのを確かめ、彼の元へ来たのだ。
小菊と千之助の部屋の間の襖が、静かに開いた。
「・・・・・・どうしたぃ?」
寝転んだまま、千之助は目だけを動かして、襖の前に立ちすくむ小菊を見た。
小菊は硬い表情で、千之助の部屋の中を見渡す。
そして部屋に入ると、後ろ手で襖を閉めた。
その表情で、何となく事情を察した千之助は、上体を起こして布団の上に胡座をかいた。
もっとも、元々眠ってはいなかったが。
小菊は布団の横に座り、膝の上で、ぎゅっと拳を握りしめる。
「そんなに嫌かい?」
あえて軽く、千之助が口を開いた。
「言ったろ? 俺っちもあいつらも、大して変わらねぇ。無理矢理じゃねぇってだけだ。恐怖はなくなるようにしてやるが、時間をかければ、それは俺っちじゃなくても、できる技だぜ。佐吉に癒してもらえばいい」
小菊は、どうしても伯狸楼のヤクザ者に犯されたことが嫌らしい。
千之助の部屋に狐姫がいないのを確かめ、彼の元へ来たのだ。