執着王子と聖なる姫
「やっぱ同じ学校にすれば良かったな」
「レイの貧相な脳ミソじゃ、俺についてけるはずないだろ。だからって、俺は合わせるのはゴメンだね」
「またそんな風に言う…麻理子そっくりだよ、君らは。お父さんもう大変」
フルフルと頭を振りながらも、決して嫌な顔は見せない。それが父の凄いところだ。長年あの自由気ままな母に鍛えられているからなのだろうか。慣れというものは恐ろしい。
「学校も違うしどうしようもないだろ」
「そうなんだけど、さ」
「そのうち気の合う友達でも出来るって」
「だといいけどね。あぁ…麻理子みたいに男侍らせるようになったらどうしよう!」
「何?あの人そんなことしてたの?」
「え?あぁ、うん。あーあ。せめてセナちゃんがレイと同じ学校だったらな…」
ボソリと呟かれた言葉は聞き逃せない。母の昔話なんて、そんなのどうでもいい。どうしても話したいならば、後で聞いてやる。
「セナはどこの学校?」
「ん?マナと同じ学校だよ。会わなかった?」
「全然」
今日早速探してみよう。目を輝かせた俺を、目敏い父が見逃すはずもなくて。
「気安く触っちゃダメだよ?ここは日本なんだからね」
「わかってるっつーの」
「あと、セナちゃんは王子が手塩にかけて育てた愛娘だからね?王子の夢と希望の芽を摘まないように」
「何だよ、それ。やっぱロリ…ってぇなぁもう!」
「それは禁句だっつってんだろ?」
こうゆう時の父には、あの母でさえ反抗しない。右に倣えで俺も反抗しない道を選ぶ。
「sorry」
「よろしい。レイが何か困ってたりしたら教えてね?すぐにだよ?」
「わかってるよ」
「頼んだよ、お兄ちゃん」
こうゆう時だけ、よしよしと頭を撫でてくれる。この人はわかっているのだ。こうすれば俺が妹のために頑張るということも、それが両親に褒めてほしいからだということも。さすがあんな女…いや、えっと…まぁいい。あんな女の面倒を何十年もみているだけのことはある。尊敬に値する。
「んあ…まなぁ?どこぉ?」
間抜けな声が再び聞こえ、慌てて自分の部屋へと戻る。目一杯伸ばされた手を取ると、ゆっくりと瞼が開いた。そして見える褐色の双眸。
「レイの貧相な脳ミソじゃ、俺についてけるはずないだろ。だからって、俺は合わせるのはゴメンだね」
「またそんな風に言う…麻理子そっくりだよ、君らは。お父さんもう大変」
フルフルと頭を振りながらも、決して嫌な顔は見せない。それが父の凄いところだ。長年あの自由気ままな母に鍛えられているからなのだろうか。慣れというものは恐ろしい。
「学校も違うしどうしようもないだろ」
「そうなんだけど、さ」
「そのうち気の合う友達でも出来るって」
「だといいけどね。あぁ…麻理子みたいに男侍らせるようになったらどうしよう!」
「何?あの人そんなことしてたの?」
「え?あぁ、うん。あーあ。せめてセナちゃんがレイと同じ学校だったらな…」
ボソリと呟かれた言葉は聞き逃せない。母の昔話なんて、そんなのどうでもいい。どうしても話したいならば、後で聞いてやる。
「セナはどこの学校?」
「ん?マナと同じ学校だよ。会わなかった?」
「全然」
今日早速探してみよう。目を輝かせた俺を、目敏い父が見逃すはずもなくて。
「気安く触っちゃダメだよ?ここは日本なんだからね」
「わかってるっつーの」
「あと、セナちゃんは王子が手塩にかけて育てた愛娘だからね?王子の夢と希望の芽を摘まないように」
「何だよ、それ。やっぱロリ…ってぇなぁもう!」
「それは禁句だっつってんだろ?」
こうゆう時の父には、あの母でさえ反抗しない。右に倣えで俺も反抗しない道を選ぶ。
「sorry」
「よろしい。レイが何か困ってたりしたら教えてね?すぐにだよ?」
「わかってるよ」
「頼んだよ、お兄ちゃん」
こうゆう時だけ、よしよしと頭を撫でてくれる。この人はわかっているのだ。こうすれば俺が妹のために頑張るということも、それが両親に褒めてほしいからだということも。さすがあんな女…いや、えっと…まぁいい。あんな女の面倒を何十年もみているだけのことはある。尊敬に値する。
「んあ…まなぁ?どこぉ?」
間抜けな声が再び聞こえ、慌てて自分の部屋へと戻る。目一杯伸ばされた手を取ると、ゆっくりと瞼が開いた。そして見える褐色の双眸。