執着王子と聖なる姫
「あのね、セナ。おねーちゃんになるよ!ちさまたママになるねん!」
またママに…とはおかしな表現だけれど、そんなところを千彩にツッコんだとて首を傾げられるだけだ。
後ろを付いて歩く龍二に「ねー?」と同意を求め、千彩は硬直する聖奈の頭を撫でた。
「セナおねーちゃん」
その言葉に硬直を解いた聖奈は、未だ固まったままの愛斗のTシャツの裾を引いて首を傾げた。
「どうゆうことでしょう」
「そうゆうことだろ」
「どこかの子供を引き取るんですかね?」
「何でそうなる。妊娠したんだろ」
「にっ…!?とんでもないっ!」
目を丸くした聖奈は「あわわわ…」と何か言葉にならない声を洩らし、それを聞いた愛斗はふーっと大きな息を吐いた。
愛斗から見ても、確かに千彩は若い。
若過ぎると言って良いほど若い。
けれど晴人は、自分の両親より一つ年下の立派なアラフィフだ。それで二人目!?と、愛斗は佐野家のバカップルが影響されないか心底不安になった。
「でもねー、はるがあかんって言う。セナとマナからも言って?ちさせっかくママになるのに!」
よいしょとソファに腰掛けて不満げに唇を尖らせる千彩にプリンの入った箱を差し出し、愛斗は龍二を振り返った。
「どゆこと?」
「とーちゃんが…さ」
またママに…とはおかしな表現だけれど、そんなところを千彩にツッコんだとて首を傾げられるだけだ。
後ろを付いて歩く龍二に「ねー?」と同意を求め、千彩は硬直する聖奈の頭を撫でた。
「セナおねーちゃん」
その言葉に硬直を解いた聖奈は、未だ固まったままの愛斗のTシャツの裾を引いて首を傾げた。
「どうゆうことでしょう」
「そうゆうことだろ」
「どこかの子供を引き取るんですかね?」
「何でそうなる。妊娠したんだろ」
「にっ…!?とんでもないっ!」
目を丸くした聖奈は「あわわわ…」と何か言葉にならない声を洩らし、それを聞いた愛斗はふーっと大きな息を吐いた。
愛斗から見ても、確かに千彩は若い。
若過ぎると言って良いほど若い。
けれど晴人は、自分の両親より一つ年下の立派なアラフィフだ。それで二人目!?と、愛斗は佐野家のバカップルが影響されないか心底不安になった。
「でもねー、はるがあかんって言う。セナとマナからも言って?ちさせっかくママになるのに!」
よいしょとソファに腰掛けて不満げに唇を尖らせる千彩にプリンの入った箱を差し出し、愛斗は龍二を振り返った。
「どゆこと?」
「とーちゃんが…さ」