執着王子と聖なる姫
「姫、良かったね」
「うん!」
「セナちゃんの時みたいに悪阻が酷くなきゃいいけど」
「大丈夫!セナん時もちさ頑張ったもん!次も頑張れるよ!」
「さすが姫。いい子だ」
ヨシヨシと頭を撫でられ、にっこりと笑う千彩。いつまで経っても皆に子供扱いされ、娘にまで説教されてしまうけれど、それでもやはり母親なのだ。子供を守りたいという気持ちは強い。
そんな千彩を腕に抱き、晴人はあの頃よりも少し低くなった声で、あの頃と変わらぬ甘い声音を響かせた。
「千彩、一つだけ俺のお願い聞いてくれる?」
「うん!なに?」
「今回もし…もしまた危なくなったら、俺は千彩を助けてくれって先生に言う。それでも許してくれるか?」
晴人の言葉にうーんと考え、千彩はフルフルと小さく首を振って晴人に抱き着いた。
「ちさは大丈夫。もう大人やもん!」
その言葉に涙を堪えたのは、見ているだけしか出来ない恵介で。その歯痒さと、あの時の不安が蘇ったことで胸が詰まる。
「頑張って元気な子産んでな?」
「うん!今度も女の子やったらいいね」
「太一の嫁にするんやろ?」
「うん!そしたらみんな家族やもん!」
「せやな。頼んだぞ、恵介。男やった時のために、女も作っとけよ?」
「え!?うちはもう無理やろ」
「じゃ、うちがもう一人女の子作るよ」
「それやったら意味あらへんやろ」
楽しげに笑い合う大人達を見ながら、心底嫌そうな顔で愛斗は「やめてくれ…」と呻いた。
「うん!」
「セナちゃんの時みたいに悪阻が酷くなきゃいいけど」
「大丈夫!セナん時もちさ頑張ったもん!次も頑張れるよ!」
「さすが姫。いい子だ」
ヨシヨシと頭を撫でられ、にっこりと笑う千彩。いつまで経っても皆に子供扱いされ、娘にまで説教されてしまうけれど、それでもやはり母親なのだ。子供を守りたいという気持ちは強い。
そんな千彩を腕に抱き、晴人はあの頃よりも少し低くなった声で、あの頃と変わらぬ甘い声音を響かせた。
「千彩、一つだけ俺のお願い聞いてくれる?」
「うん!なに?」
「今回もし…もしまた危なくなったら、俺は千彩を助けてくれって先生に言う。それでも許してくれるか?」
晴人の言葉にうーんと考え、千彩はフルフルと小さく首を振って晴人に抱き着いた。
「ちさは大丈夫。もう大人やもん!」
その言葉に涙を堪えたのは、見ているだけしか出来ない恵介で。その歯痒さと、あの時の不安が蘇ったことで胸が詰まる。
「頑張って元気な子産んでな?」
「うん!今度も女の子やったらいいね」
「太一の嫁にするんやろ?」
「うん!そしたらみんな家族やもん!」
「せやな。頼んだぞ、恵介。男やった時のために、女も作っとけよ?」
「え!?うちはもう無理やろ」
「じゃ、うちがもう一人女の子作るよ」
「それやったら意味あらへんやろ」
楽しげに笑い合う大人達を見ながら、心底嫌そうな顔で愛斗は「やめてくれ…」と呻いた。