執着王子と聖なる姫
「誰と喋ってたの?セナじゃないわよね」
「セナだっつったら?」
「明日セナに言い付けるわ。夜中に別の女とcallしてたって」
しっかりちゃっかり会話の一部始終を聞いていた莉良は、マリそっくりの顔で愛斗に詰め寄る。せっかく落ち着いたのに…とため息をつく愛斗のことなどお構い無しだ。
「確かに違う女だけど、レベッカはただの友達」
「レベッカ?American?」
「ハーフだっつってた。同じ学校の同じコース」
「ふぅん」
不満げな莉良の目は、じっと愛斗と見つめたまま動かない。その視線を避けるように起き上がると、愛斗はくしゃくしゃと頭を掻いて携帯を枕元に置き直した。
「セナと結婚するんじゃないの?」
「するよ」
「だったらどうして他の女なの?」
「友達だっつってんだろ。それに…」
お前には俺の気持ちはわかんねーよ。
右目を右手で隠し、愛斗は天井を見上げて左手を高く掲げる。何をしているんだろう…と不思議に思った莉良は、起き上がって愛斗の涙を確認し、ギュッと胸が締め付けられる苦しさを感じた。
「マナ…」
「俺はマリーが好きだ。でも、マリーにとって俺は要らない」
「そんなことないわ!そんなこと言ったら、レイだってメーシーにとったら要らない子よ!」
「お前はそれだけマリーに似てるんだ。メーシーが愛してないわけないだろ」
「No!メーシーが愛してるのはマリーよ。代わりなんて要らないし、愛してくれないわ」
メーシーが幼い頃から愛斗に付きっ切りだった代わりに、莉良にはマリが付きっ切りだった。自分に見向きもしないメーシーに、莉良は「愛されていない」と、愛情の不足を感じていたのだ。
「そんなことねーよ。メーシーはお前を愛してる」
「メーシーが愛してるのはマリーだけよ」
そう思い、ずっと寂しさに耐えてきた。二人で抱き合って眠り、どうにかこうにか両親を好きでいられた。
「俺はレイを愛してる」
「セナと結婚するのに?」
「それでも愛してる。お前はいつまでも俺の可愛いsisterだ」
抱き寄せてそっとキスをする愛斗に、莉良は首元に絡み付くように擦り寄った。
「時々でいいから、一緒に寝てくれる?」
「あぁ」
「レイにもkissしてくれる?」
「あぁ」
「それから…」
尚も言葉を続けようとする莉良の額にキスをし、愛斗はにっこりと微笑んだ。
「I love U,Layla」
妹は、やはりいつまでも可愛い妹で。いつか巣立って行くまでこの腕の中に置いてやろう。と、愛斗は改めて莉良の小さな体をギュッと抱き締めた。
「セナだっつったら?」
「明日セナに言い付けるわ。夜中に別の女とcallしてたって」
しっかりちゃっかり会話の一部始終を聞いていた莉良は、マリそっくりの顔で愛斗に詰め寄る。せっかく落ち着いたのに…とため息をつく愛斗のことなどお構い無しだ。
「確かに違う女だけど、レベッカはただの友達」
「レベッカ?American?」
「ハーフだっつってた。同じ学校の同じコース」
「ふぅん」
不満げな莉良の目は、じっと愛斗と見つめたまま動かない。その視線を避けるように起き上がると、愛斗はくしゃくしゃと頭を掻いて携帯を枕元に置き直した。
「セナと結婚するんじゃないの?」
「するよ」
「だったらどうして他の女なの?」
「友達だっつってんだろ。それに…」
お前には俺の気持ちはわかんねーよ。
右目を右手で隠し、愛斗は天井を見上げて左手を高く掲げる。何をしているんだろう…と不思議に思った莉良は、起き上がって愛斗の涙を確認し、ギュッと胸が締め付けられる苦しさを感じた。
「マナ…」
「俺はマリーが好きだ。でも、マリーにとって俺は要らない」
「そんなことないわ!そんなこと言ったら、レイだってメーシーにとったら要らない子よ!」
「お前はそれだけマリーに似てるんだ。メーシーが愛してないわけないだろ」
「No!メーシーが愛してるのはマリーよ。代わりなんて要らないし、愛してくれないわ」
メーシーが幼い頃から愛斗に付きっ切りだった代わりに、莉良にはマリが付きっ切りだった。自分に見向きもしないメーシーに、莉良は「愛されていない」と、愛情の不足を感じていたのだ。
「そんなことねーよ。メーシーはお前を愛してる」
「メーシーが愛してるのはマリーだけよ」
そう思い、ずっと寂しさに耐えてきた。二人で抱き合って眠り、どうにかこうにか両親を好きでいられた。
「俺はレイを愛してる」
「セナと結婚するのに?」
「それでも愛してる。お前はいつまでも俺の可愛いsisterだ」
抱き寄せてそっとキスをする愛斗に、莉良は首元に絡み付くように擦り寄った。
「時々でいいから、一緒に寝てくれる?」
「あぁ」
「レイにもkissしてくれる?」
「あぁ」
「それから…」
尚も言葉を続けようとする莉良の額にキスをし、愛斗はにっこりと微笑んだ。
「I love U,Layla」
妹は、やはりいつまでも可愛い妹で。いつか巣立って行くまでこの腕の中に置いてやろう。と、愛斗は改めて莉良の小さな体をギュッと抱き締めた。