執着王子と聖なる姫
父と息子、それぞれの想い
扉を開くと、そこには後ろ姿でもわかるくらいに不機嫌な愛斗がいて。わざとらしくため息をつきながら、レベッカは向かいに用意されている自分の席へと腰掛けた。
「何怒ってるデスカー?」
「うぜーからその喋り方やめろ」
バンッと机を叩いて立ち上がった愛斗が、一歩、また一歩と近付いて来る。それをウキウキとしながら待つレベッカは、愛斗の苛立ちの理由を知っていた。
「MEIJIが選ぶのはマリコ」
「んなことわかってるよ」
「私が選ぶのはMEIJI」
「わかってるよ」
吐き捨てるようにそう言って、愛斗はレベッカのぽってりとした紅い唇を指先でなぞる。指先にまとわりつくグロスの感触が、面白いほどに愛斗の興奮を掻き立てた。
「メーシーは俺と同じ顔だ」
「そうね」
「何に惚れた。顔か?」
「まさか」
まるで「そう言ってくれ」と言わんばかりの愛斗の目に、レベッカはふっと笑い声を洩らした。
「あなたの右目が好き。MEIJIは持ってない」
「でも、お前が選ぶのはメーシーだ」
二人だけの空間に、ビリッと刺激が走る。その刺激を存分に味わうため、愛斗はレベッカの体を引き寄せた。
「俺が選ぶのは、セナ」
「本当に?」
「あぁ」
じっと目を見つめながら言う愛斗の唇を、レベッカの指先が撫ぜる。指先が離れたと同時に、惹かれ合う唇。
これ以上の関係は無い。
けれど、これが愛斗とレベッカを繋ぐ「friend」の関係。
「やっぱ…お前苦手」
「知ってる。でも、私は好き」
「悪魔な女だねー、ホント」
唇が離れたと同時に、離れる二人の体。再び向かい合い、何事も無かったかのようにそれぞれに仕事を片付けにかかる。
「何怒ってるデスカー?」
「うぜーからその喋り方やめろ」
バンッと机を叩いて立ち上がった愛斗が、一歩、また一歩と近付いて来る。それをウキウキとしながら待つレベッカは、愛斗の苛立ちの理由を知っていた。
「MEIJIが選ぶのはマリコ」
「んなことわかってるよ」
「私が選ぶのはMEIJI」
「わかってるよ」
吐き捨てるようにそう言って、愛斗はレベッカのぽってりとした紅い唇を指先でなぞる。指先にまとわりつくグロスの感触が、面白いほどに愛斗の興奮を掻き立てた。
「メーシーは俺と同じ顔だ」
「そうね」
「何に惚れた。顔か?」
「まさか」
まるで「そう言ってくれ」と言わんばかりの愛斗の目に、レベッカはふっと笑い声を洩らした。
「あなたの右目が好き。MEIJIは持ってない」
「でも、お前が選ぶのはメーシーだ」
二人だけの空間に、ビリッと刺激が走る。その刺激を存分に味わうため、愛斗はレベッカの体を引き寄せた。
「俺が選ぶのは、セナ」
「本当に?」
「あぁ」
じっと目を見つめながら言う愛斗の唇を、レベッカの指先が撫ぜる。指先が離れたと同時に、惹かれ合う唇。
これ以上の関係は無い。
けれど、これが愛斗とレベッカを繋ぐ「friend」の関係。
「やっぱ…お前苦手」
「知ってる。でも、私は好き」
「悪魔な女だねー、ホント」
唇が離れたと同時に、離れる二人の体。再び向かい合い、何事も無かったかのようにそれぞれに仕事を片付けにかかる。