執着王子と聖なる姫
幼なじみの恋心
幼い頃は、何故自分が周りに距離を置かれているのか理解が出来なかった。同じ日本人でも、父と妹の周りにそんな壁は無かったような気がする。
いつだっただろうか。俺と母の周りにだけにあるそれに気付いたのは。
まだ幼かった俺は、無神経にもそれを母に尋ねたことがある。そして言われた。
「可哀相な子。ごめんね」
この時俺は、母を引っ叩く父の姿を初めて見た。そんなことは、後にも先にもこれ一度きりだ。泣き崩れた母とキョトンとする俺を腕に抱き、父は言った。
「俺はそれを愛してる。綺麗な瞳だよ、二人共」
それ以来俺は、父が大好きだ。
だからセナのことも好きになった。
そんな理由で納得してもらえるだろうか。
いつだっただろうか。俺と母の周りにだけにあるそれに気付いたのは。
まだ幼かった俺は、無神経にもそれを母に尋ねたことがある。そして言われた。
「可哀相な子。ごめんね」
この時俺は、母を引っ叩く父の姿を初めて見た。そんなことは、後にも先にもこれ一度きりだ。泣き崩れた母とキョトンとする俺を腕に抱き、父は言った。
「俺はそれを愛してる。綺麗な瞳だよ、二人共」
それ以来俺は、父が大好きだ。
だからセナのことも好きになった。
そんな理由で納得してもらえるだろうか。