執着王子と聖なる姫
「俺のことは喋ってもいいぞ。一発二発は覚悟する」
「俺もいいよ、喋っても」
「いいのかよ?とーちゃん、セナのことになったら相当厄介だぞ?」
「仕方ない。その代わり、俺にも言い分はある」
「そりゃそうだろうけどよ…」
ギュッと拳を握って腹を括った息子二人。先に口を開いたのは俺だ。
「龍二とレイは…まぁ…恋人同士だから」
「うん。そうだよね」
「はい。ちゃんとヤることヤッてます。以上」
「そっか。じゃあ龍二君には、ちゃんと男のルールを教えてあげないとね」
「ですねー。どーぞ」
彼女の父親にそんなことを語られるのも哀れだけれど、もうこれは逃げようがない。相手が悪すぎるというものだ。
「ほんで?セナと愛斗は?」
「いや…」
「龍二、お前が話した方が愛斗のためやってわからんか?何やったら恵介けしかけてもええんやぞ?」
「いや、それは勘弁してやろうよ。あの人とーちゃん以上に厄介じゃねぇか」
「ほなお前が口割れ」
隣でこんなにも緊張しなければならないのならば、いっそのこと問い詰められた方がマシだと思う。俺を庇おうとするあまり、龍二は言葉に詰まっている。
「龍二、いいよ。俺が話すから」
「いや、でも…」
「大丈夫。俺別に悪いことしてねーし」
パシンと背中を叩くと、申し訳なさそうに眉尻が下がる。口下手な龍二にこの尋問は酷だ。
「ほぉ…えらい潔いやないか」
「俺の息子だからね」
「己のことは上手いこと誤魔化しよったくせによぉ言うわ」
「ふふっ。まぁ、マナのそうゆうところは麻理子似だからね」
「あいつは何でもペラペラいきよるからな。恐ろしい女や」
「惚れてたくせに」
「あほ言うな」
このまま昔話に花を咲かせてはくれないだろうか。と、淡い期待を抱いてみるものの、不意にぶつかった視線がそうはいかないと物語った。
「ほんで…愛斗とセナは付き合うてんのか?」
「いや、付き合ってないです」
「ほぉ。その割には、毎晩仲良さげにしてるらしいけど?」
やはりバレていたか…と、どこかに監視カメラでもつけていそうなくらい目敏い父に、舌打ちの一つでもくれてやりたい気分だ。
「王子には黙ってる」と言ったのはどこの誰だ。
「俺もいいよ、喋っても」
「いいのかよ?とーちゃん、セナのことになったら相当厄介だぞ?」
「仕方ない。その代わり、俺にも言い分はある」
「そりゃそうだろうけどよ…」
ギュッと拳を握って腹を括った息子二人。先に口を開いたのは俺だ。
「龍二とレイは…まぁ…恋人同士だから」
「うん。そうだよね」
「はい。ちゃんとヤることヤッてます。以上」
「そっか。じゃあ龍二君には、ちゃんと男のルールを教えてあげないとね」
「ですねー。どーぞ」
彼女の父親にそんなことを語られるのも哀れだけれど、もうこれは逃げようがない。相手が悪すぎるというものだ。
「ほんで?セナと愛斗は?」
「いや…」
「龍二、お前が話した方が愛斗のためやってわからんか?何やったら恵介けしかけてもええんやぞ?」
「いや、それは勘弁してやろうよ。あの人とーちゃん以上に厄介じゃねぇか」
「ほなお前が口割れ」
隣でこんなにも緊張しなければならないのならば、いっそのこと問い詰められた方がマシだと思う。俺を庇おうとするあまり、龍二は言葉に詰まっている。
「龍二、いいよ。俺が話すから」
「いや、でも…」
「大丈夫。俺別に悪いことしてねーし」
パシンと背中を叩くと、申し訳なさそうに眉尻が下がる。口下手な龍二にこの尋問は酷だ。
「ほぉ…えらい潔いやないか」
「俺の息子だからね」
「己のことは上手いこと誤魔化しよったくせによぉ言うわ」
「ふふっ。まぁ、マナのそうゆうところは麻理子似だからね」
「あいつは何でもペラペラいきよるからな。恐ろしい女や」
「惚れてたくせに」
「あほ言うな」
このまま昔話に花を咲かせてはくれないだろうか。と、淡い期待を抱いてみるものの、不意にぶつかった視線がそうはいかないと物語った。
「ほんで…愛斗とセナは付き合うてんのか?」
「いや、付き合ってないです」
「ほぉ。その割には、毎晩仲良さげにしてるらしいけど?」
やはりバレていたか…と、どこかに監視カメラでもつけていそうなくらい目敏い父に、舌打ちの一つでもくれてやりたい気分だ。
「王子には黙ってる」と言ったのはどこの誰だ。