執着王子と聖なる姫
「まぁ、仲は…悪くはないです。部屋も繋がってるし」
「は?部屋繋がってんの?」
「見ますか?」
「いや、後にする。どの程度の付き合いで留めてくれてんのや?」
「どの程度…まぁ、kissやhugする程度で」
「それ以上は?」
「強請られない限り、俺からはしません。勿論、kissもhugも」
嘘はついていない。これは龍二にも話している事実だ。
ただ、多少濁しはした。
如何せん、「それ以上をしてはいない」とは断言出来ない。
「さっすがメーシーの息子やな」
「それ褒めてる?」
「おぉ、褒めてんで。上手いこと誤魔化しよるわーってな」
「だろうね。マナ、無駄だよ。王子にはお見通し。昔自分もそうだったしね?」
「喧しいわ。俺は結婚するまで手ぇ出してない」
「あれ?俺は悪くないよ?強請るのはいつだって麻理子だから」
たとえ無理だと言われようとも、問われない限りは答えない。そんな息子にしたのは、紛うことなく目の前で恥ずかしげもなく惚気るその人だ。
「なぁ、愛斗」
「はい」
幾分か優しくなった目に、ホッと胸を撫で下ろす。
「セナと付き合う気は無いんか?」
「それはセナ次第です」
「他に女がおったりはせんのか?」
「日本に来てからはないです。抱いた女もいないです」
「そっか。まぁ、ならええんやけど」
俺が父親ならば、そこを問い詰めると思う。卑怯なやり方だ。と、自分でも承知の上だ。
「セナちゃんは何て言ってるの?」
「何てって?」
「ほら、あるだろ?付き合いたいとか…そうゆうの言わない?」
「言わない。けど…」
セナの言う「一番」がどんな意味を持つのか、俺にはいまいちわからない。
一番にしてやるとは言ったし、一番だとも言う。
けれど、それが何の「一番」なのかは知らない。
「寂しいんだよ、アイツ」
「寂しい?王子も姫も一人っ子だから溺愛してると思うんだけど」
「そうゆうんじゃなくて…」
「セナ、何か言うてたんか?」
言っていたといえば言っていたし、言っていなかったといえば言っていなかった。どうにも微妙なところだ。
「は?部屋繋がってんの?」
「見ますか?」
「いや、後にする。どの程度の付き合いで留めてくれてんのや?」
「どの程度…まぁ、kissやhugする程度で」
「それ以上は?」
「強請られない限り、俺からはしません。勿論、kissもhugも」
嘘はついていない。これは龍二にも話している事実だ。
ただ、多少濁しはした。
如何せん、「それ以上をしてはいない」とは断言出来ない。
「さっすがメーシーの息子やな」
「それ褒めてる?」
「おぉ、褒めてんで。上手いこと誤魔化しよるわーってな」
「だろうね。マナ、無駄だよ。王子にはお見通し。昔自分もそうだったしね?」
「喧しいわ。俺は結婚するまで手ぇ出してない」
「あれ?俺は悪くないよ?強請るのはいつだって麻理子だから」
たとえ無理だと言われようとも、問われない限りは答えない。そんな息子にしたのは、紛うことなく目の前で恥ずかしげもなく惚気るその人だ。
「なぁ、愛斗」
「はい」
幾分か優しくなった目に、ホッと胸を撫で下ろす。
「セナと付き合う気は無いんか?」
「それはセナ次第です」
「他に女がおったりはせんのか?」
「日本に来てからはないです。抱いた女もいないです」
「そっか。まぁ、ならええんやけど」
俺が父親ならば、そこを問い詰めると思う。卑怯なやり方だ。と、自分でも承知の上だ。
「セナちゃんは何て言ってるの?」
「何てって?」
「ほら、あるだろ?付き合いたいとか…そうゆうの言わない?」
「言わない。けど…」
セナの言う「一番」がどんな意味を持つのか、俺にはいまいちわからない。
一番にしてやるとは言ったし、一番だとも言う。
けれど、それが何の「一番」なのかは知らない。
「寂しいんだよ、アイツ」
「寂しい?王子も姫も一人っ子だから溺愛してると思うんだけど」
「そうゆうんじゃなくて…」
「セナ、何か言うてたんか?」
言っていたといえば言っていたし、言っていなかったといえば言っていなかった。どうにも微妙なところだ。