COLORS~Clear~
なにげに。
自分の話題は照れくさかったのかもしれない。


「だって。別に自慢できるとこないしね。忽那の娘なだけで、仕事してるのはパパだし」


沙奈のその言葉に、またちょっと驚いてはいたけど。
話題が自分からそれて、霧島クンはどこかホッとした感じで。

沙奈のこういう所が、霧島クンは気にいってるのか。
沙奈を見る表情がやわらかくなって…。


「うちはね…」


そんな彼に、私は微笑んで。


「ずっと母に、祖父や父のお陰なんだって。言われて育ってきたの」


語りかける。

< 102 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop