COLORS~Clear~
「もっと腕上げた時に。また、聞かせて下さい」


それは単なる気遣いなんかじゃなく。


「…えぇ」


彼の真意は、別のところにあって。


「ありがとうございます」


よく考えてみれば、簡単にわかったこと。
私みたいな素人に、感想なんて聞いても参考になるはずがない。

なのに…。


「霧島クンのお茶は。いつも私の気持ちをわかってくれてるみたい…」


何も気づかずに発した言葉。


「──────」


この時の霧島クンの表情(カオ)を。
私はよく、見ておくべきだったのかもしれない。

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