COLORS~Clear~
『お茶?』
「そう。言い忘れてたんだけど、妹が。郁サンにぜひって」
『お茶って、茶道、の方、だよな?』
「ええ。そう。お抹茶」
『そっか。抹茶ね…」


私はよく、完璧だと言われるけど。
きっと、そう見せかけるのが上手いだけで。
ほんとに完璧なのは、郁サンみたいな人なんだと。

私が秘書課に配属された時。
思った。

だから。


「もしかして…。あんまり、得意じゃない…?」
『えっ?』
「お抹茶」


ほんとに、彼のこういう所は意外すぎて。

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