COLORS~Clear~
兄も。
そんなに繊細じゃない。
どちらかと言えば、郁サンが言ったように。
神経が図太い、言われるタイプ。

兄と比べると。
郁サンは、繊細に近いような気がして…。

それでも。


「ちゃんと眠れてるなら。いいの…」


あえて私は、追及しようとはしなかった。


『ってか。やっぱり、すんなり帰すんじゃなかったな…』


そんな私に。


「えっ…?」


苦笑混じりで、郁サンが呟く。


『帰さなきゃよかった』

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