COLORS~Clear~
TELのせい?


「─────」


声が近くて、まるで耳元で囁かれているようで。


『透子…?』


思わず、言葉を失ってしまった私に。
優しく、私を呼ぶ郁サン。


―とくん、とくん…


静かに。
でも、かなり速度を速めて。
胸が鳴る。


『透子?聞こえてる?』
「えっ?あ、聞こえて、る…」


なんて。
駆引きが上手い人なんだろう。


『やっぱり。TELはもどかしいな。手に取るよう、様子がわからない』


それは、今までの経験なのか。
ほんとに。
まるで初恋のように、ドキドキさせられる…。

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