COLORS~Clear~
だからこそ、なのかもしれない。

同じ気持ちを共有してきたからこそ、私に……。

相手が郁サンじゃなかったら。
きっと私は、こんな気持ちになることなんてなかったんだろう。

少しでも。
郁サンの気持ちに寄り添っていきたいと思った。

彼の負担を。
少しはわかってあげられるはずだから…。

そう思った時。
やっぱり、


―帰ってこなきゃ良かった…


思った。

明日、朝が早いと聞いた時、早めに別れて、帰るのが当然のように感じていたけど。

もしかしたら、郁サンは私の言葉を待っていたのかもしれない。

もしかしたら、さっきのTELも…。

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