COLORS~Clear~
多分。
昼間のあんな時間に見かけなければ、こんなに気にすることもなかったんだろうけど。

それは、単なるきっかけだったような気もする。

初めて会った時に見せた、無邪気な顔と大人の顔。

どっちがほんとの彼なのか。

“霧島”という大きな名を背負っていると知って、計り兼ねていた。

一体、


―どっちがほんとの…?


何度か顔を合わせるうちに。
知らず知らず、どこかでいつも気にしていた。

背負っている物の大きさが、充分すぎる程、わかっていたから…。

そして。
願っていたような気がする。
ほんとの彼が、


―前者でありますように…


と…。

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