COLORS~Clear~
「透子。お稽古の様子、ちょっと見てきてくれない?そろそろ食事にしましょうって」
「あ、そうね。見てくるわ」
「お願い」


食事の準備が出来て。
母に頼まれ、私は茶室へと向かう。

向かいながら。
霧島クンがどんな様子なのか。


「………………」


少し、構えてしまう。

ちょうどお茶を点てているのか。
茶室は静まりかえってもいて…。


「………………」


でも、とりあえず。


―普通に


そう、自分に言い聞かせて。
私は茶室をノックした。

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