COLORS~Clear~
「あっ。でも、これは教えてもらわなきゃ」


それでも、


―まだ食い下がらない?


思ってると。


「鷹梨サンに点てるお茶。あまり飲み慣れてないなら、薄茶がいいんじゃないかって、霧島が」


珍しく諦めたのか。


「あぁ…。そうね」


まともな質問。


「まだ。あまり濃いのは得意じゃないって言ってたし」
「え、まだって…」
「実は、彼のお母様がまた茶道を始めたらしくて。沙奈がお茶を点てるって聞いて、作法を教えこまれてるらしいの」
「えっ?そうなんだ」


私もそれに対しては、ちゃんとした返答をする。


「でも、かなりブランクがあるみたいで。実は、私に教えて欲しいって、お義母様が言ってるみたいで…」


ついで、じゃないけど。
母に聞いて欲しいことも…。

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