COLORS~Clear~
どこまで年上として接して。
どこから対等に接するべきなのか、少し戸惑う。


「じゃあ、直接。茶室に出入りするってこと?」
「あ、うん」
「へぇ~。やっぱり霧島の家は本格的なんだね。うちみたいに、部屋の一室が…って感じじゃないんだ」


そんな私の代わり、ではないんだろうけど。
沙奈が質問する。


「時間、関係なく稽古できるようにって作った茶室だからな。自宅内にも、茶室はあるよ。入り口は外側にあるけど」


沙奈に答える一瞬、霧島クンは高校生の顔に戻ったけど。


「祖父や父の生徒さんも。今は離れで稽古をつけてます」


私に視線を戻した瞬間には、また大人の顔に変わる。

< 164 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop