COLORS~Clear~
「もし、稽古の時間が気になるなら。透子さんが早く帰れる日だけで、どうですか?」
「私に、合わせてくれるの?それは…」
「合わせるっていうか。僕の予定と合わないようなら。もちろん、ずらしてもらうことにはなりますけど」


無意識に、の、事なのか。
それとも。
意識しての事なのか…。

私のことを、色々と気遣いながら、話してくれてるのがわかる。


「もう、お願いしちゃえば?お姉ちゃん」


なかなかはっきりしない私に、もどかしさを感じたのか。
沙奈が返事を促す。


「正式にだったら、いいんじゃない?」
「んー…」


それでも。
私はすぐに、頷けなくて。

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