COLORS~Clear~
もちろん。
直接継ぐのは兄で、私ではなかったけど。

レールの上。

思っていたわけじゃないけど。
何かしら、忽那の家のために、


―役に立たなきゃ


そんな思いが、いつもあった。
ある意味。
義務感、みたいなもの。

それは逆に、両親からプレッシャーを与えられなかったからこそ、なんだろう。

特に母は。
いつも私たちの意思を尊重してくれた。
やりたいと思った道に…と。

それはもちろん、兄に対しても同じで。
大学の専攻も、兄の好きな学部に、と、経営学を強要することはなかった。

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