COLORS~Clear~
これでもし、幼い頃からすべてを強要され、忽那のためだけに育てられていたら。

私は郁サンと結婚どころか、お見合いの話すら。
断っていたかもしれない。

今まで両親に反抗なんて、したことがなかったけど…。

もちろん、郁サンとお見合いしたことも、結婚を決めたことも。
後悔なんてしていない。
むしろ、結婚する相手が彼で良かったと思ってる。

ただ…。

今まで、まったく苦しくなかったのかと言われれば。
そこはすぐには、頷けない…。
大人にならなきゃと、忽那の名に恥じない子にならなきゃと急いでしまったことに対しては。

やっぱり苦しかった…。

完璧だと言われることにも…。

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