COLORS~Clear~
「お待たせ」


着替え終えて急いで戻ると。
霧島クンの斜め前。
いつもの席に座る。
座って、


「あ、リビングの方がいい?」
「えっ?」
「なになに~」
「お稽古の話よ。霧島クン、もう食事、済んでるみたいだし」


霧島クンが食事を終えていることに気づく。
だったら、早く話を済ませて、待たせた分、少しでも早く帰してあげなきゃ、思って。

でも。


「あ、透子さんも食べて下さい」
「えっ?」
「その方が。お…僕も気にせず話せるし」


私に気を遣っているのか。
そう言って、霧島クンが微笑む。

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